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Drのワンポイントアドバイス

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頸部内頚動脈狭窄症に対する脳神経血管内治療について
2009.12

いなべ総合病院
診療部長(脳神経外科)
 嶋津 直樹

 脳神経血管内治療の発展にはめざましいものがあり、その最たるものは脳動脈瘤コイル塞栓術でしょう。かつて、殆どの脳動脈瘤の治療は開頭により直接脳動脈瘤の頸部にクリップを掛けて再破裂を防ぐという手法が行われ、現在でもその治療は動脈瘤の再発が殆どないという観点からすれば最良の治療法と考えますが、直達術が困難な場合に選択される非常に有益な手段となっています。また、そのコイルの性状もコイル塞栓部の器質化を促す材料使用により、より塞栓効果が現れることが期待されています。
 さて、もう一方の血管内治療の発展には、既に冠動脈治療や全身血管狭窄に対しては歴史のある治療法ですが、頸部内頚動脈狭窄に対するステント留置による血管拡張術(CAS)があげられます。保険特定治療材料として認証されてから2年が経ち、目覚ましくその症例数が増加しています。
 そもそも、頸部内頚動脈狭窄の治療については、外科的な頚動脈内膜剥離術(CEA)が、抗血小板剤などによる薬物治療に有意な差をもって優っていることが国内外で広く認められています。その手術による合併症が3%程度であるわけですが、認証材料使用によるCASの治療成績は、今回の脳神経血管内治療学会の多施設からの報告を見ても、このCEAの治療と同等な成績と考えます。既に、CASがCEA治療数を遙かに上回る勢いであり、数年前の治療法とは逆転しています。
 種々の制約はあるものの、<1>無症状のものでは80%以上の狭窄<2>その狭窄による症状出現の見られるものでは50%以上の狭窄において使用が認証されています。
 この15ないし20年の間に卒中発作の中で脳虚血疾患の割合が増加し、今やその卒中発作の2/3を占めるようになっていますが、日本人の食生活の欧米化に従って、とりわけ頸部内頚動脈狭窄症患者さんが増加しています。
 この頚部内頚動脈狭窄により脳血流が低下して起こる特殊な脳梗塞や頸部血管狭窄部の壁不整部の粥腫や血栓形成に起因した末梢血管閉塞による脳梗塞を起こします。また、一時的に意識消失したり、半身脱力を来すような一過性の脳虚血症状出現を見たりします。
 認証材料使用による当院でのCAS治療患者さんのCTや治療前・治療後血管造影画像の代表例を図に示しました。
 脳梗塞を発症した患者さんの頸部血管は必ず一度は頚部エコー、MRIなどで評価すべき重要な血管部位であると考えます。また、糖尿病、高脂血症など全身血管に関与する基礎疾患を持つ患者さんにおいては重視すべき検査であると考えます。

症例4(脳梗塞既往、80%程度の狭窄)
CTでは中大脳動脈部分閉塞による脳梗塞を示した

症例3(脳梗塞既往、70〜75%狭窄、潰瘍形成)
脳梗塞は特殊な分水嶺梗塞

症例2(脳梗塞既往、85%狭窄)
ステント留置後も硬い狭窄部組織のため一部造影欠損がみられる

症例1(冠動脈バイパス治療後、80%狭窄、不整な潰瘍を伴う)
狭窄部の頭側が急激な屈曲を示していたため、術前後で血管走行の変化が強く、2個のステントを使用しなければならなかった



いなべ総合病院

TEL:0594-72-2000


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